【行動経済学が最強の学問である】まとめてみました|50代・生き方

松岡 球一(まつおか きゅういち)
55歳、妻と娘(8歳)と息子(5歳)の父。
15年続けたフルコミ生命保険営業をほぼクビ状態で2023/8/7に退社。
翌日8/8よりテレアポの会社→半年後の2/28に突然の解雇。
2024/3/25~ルート営業の会社に正社員として採用され、マイナス生活から開放される。
これまで人生経験を基にお役立ち情報をお伝え。
・SEO検定1級

ふだん目にするネット広告、ホームページ、チラシなどを見て、

「つい買ってしまったぁ♪」

といった記憶はないでしょうか?

商品・サービスが魅力的なのはもちろん、もし売り手のテクニックによって買ってしまったとしたら、、、

私は営業歴が20年以上あり、これからも一生涯に渡って営業活動・学習をするつもりですが、

顧客の心理を学ぶのに役立つ本はないかと色々と探してみて、今回たどり着いたのが【行動経済学が最強の学問である】という本です

『行動経済学』とは簡単に言うと「心理学」と「経済学」を組み合わせた学問で、人間が持つ非合理性を明らかにしたものです。

この記事を読むことによって、ネットでつい買ってしまったときの人間の心理を解き明かし、自分が売る側に立ったときに役立つ「武器」として扱えるようになります。

同じ50代で営業職に関わっている方や学習意欲が高い方の参考になれば幸いです。

目次

行動経済学とは?

人間は常に合理的な行動をしているかというと、実はその逆で、非合理的な行動をしていることが多々あります。

人間の行動とは、意思決定の連鎖で成り立っており、人間の「非合理な意思決定のメカニズム」を説明する理論の集まりのことを、行動経済学という。

「非合理な意思決定」を決める三つの要因:

・認知のクセ(「直感」VS「論理」)

・状況(周りの状況の影響を強く受ける)

・感情

脳の「認知のクセ」が人の意思決定に影響する

人はどんなときに「直感」を使いがちなのか:

・疲れているとき
・情報量・選択肢が多いとき
・時間がないとき
・モチベーションが低いとき
・情報が簡単で見慣れているとき
・気力・意思の力がないとき

「認知のクセはじっくり考えないことで生じる」

『メンタルカウンティング』:
同じお金でもどのように取得し、どのように使うかによって、自分の中で価値が異なってくる。

『自制バイアス』:
「私は誘惑に負けない。衝動的な行動を抑えられる」と自分を過大評価するクセ。

対策としては、あえて「小さなひと手間」を加えること。

例)浪費がやめられない人はクレジットカードは持たず、キャッシュカードを持つ。

『埋没コスト』:
一度何かを始めたら、たとえ成果が出なくても、そこに費やした時間・お金・労力を取り戻そうと継続してしまうこと。

例)パチンコで負けた分を取り戻そうとする。

『機会コスト』:
上記の埋没コストに陥ることで、新たな機会を失うことになる。

『ホットハンド効果』:
ある事象が連続して起こると、次も同じことが起こると思い込んでしまう認知のクセ。

単なる思い込みに過ぎないのに、立ち止まって考えずに期待するのは「人は時間がない

とき、疲れているときなどに”直感”に頼って意思決定をする」傾向がある。

『フット・インザ・ドア』:
「小さなお願いから始めよ」いきなり家に入れてもらおうとしても拒絶されてしまうので、

まずは一歩足先を入れてみる。頼みごとをするならまずは小さなことから始めてみるという理論。

『確証バイアス』:
何かを思い込んだら、それを証明するための根拠ばかり集めて始めてしまう。

例)高価な買い物をした夫が、妻から「そんなムダ遣いをして!」と責められたときにムダではないことの証拠を集めて反論すること。

『双曲割引モデル』:
近い将来を考える際は、少しの時間も気になるが、遠い将来を考える際は、時間の差が気にならない。

人は状況に「決定させられている」

『系列位置効果』:
人がいくつかの情報を覚えようとするとき、情報の「順番」によって記憶の定着度合いに差が出るという理論です。

そこで影響するのが「初頭効果」「新近効果」という理論です。

初頭効果とは、初めに得た情報が印象に残り、強い影響を与える。

新近効果とは、最後の情報が意思決定に大きな影響を与える。

例)入社の面接を受ける場合、最初か最後に受けた方が面接官に強い印象を与えることができる。

『単純存在効果』:
人間は他者の存在に影響を受けるというもの。

例)5ドル渡して電池を買ってきてもらう実験で、電池コーナーの周りに他の客が多いときほど、一番高いメーカーの電池を購入した。

『過剰正当化効果』:
もともと内発的動機で取り組んでいたところに、金銭的報酬などの外発的動機が用意されると、モチベーションが下がってしまうという理論。

例)好きと善意で始めたのに、お金をもらうことによってやらされている仕事に変わってしまう。

『情報オーバーロード』:
多すぎる情報のせいで、人が非合理な行動をしてしまうこと。

多すぎる情報は、人を疲れさせ、意思決定を妨げるものとなってしまっている。

人間は多くの選択肢があることを好みますが、逆に多すぎるときめられません。

これが人間のあるがままの非合理な姿です。

では、どうしたら選んでもらえるのか?

『選択アーキテクチャー』:
選択肢をどのように設けたらいいのか、最適な方法を探る概念です。

例)アマゾンはユーザーのデータを蓄積し、アルゴリズムを使って「おすすめ商品」を出しています。

選択肢はいくつがベストなのか?

結果は”10個”

『ナッジ理論』:
強制やインセンティブなしに人の行動を望ましい方向に誘導する手法。

例)バーでビールを選ぶ場合、「本日のビール」「人気ビール」などのおすすめを作るという方法。

『どうでもいいことはテキトーに決める』:
世の中のすべての選択が重要課題であるはずもなく、いちいち時間をかけていたら機会損失となる可能性がある。「どうでもいいことはテキトーに決める」という戦略が実は効率的なのです。

人間が考えて自己選択する前に、状況が「これにしなさい」と命じているとしたら?

『プライミング効果』:
提示されたプライマー(刺激)によって、人の行動が変容すること。

色、音楽、位置、匂いといった刺激が、無意識のうちに人の意思決定に影響を与えているというものです。

例)ワインショップでフランスを連想させるBGMを流した日はお客さんの83%がフランスワインを購入。

『フレーミング効果』:
同一の内容であっても何を強調するかによって受け手の意思決定が変わるという理論。

例)「牛ひき肉」:A.「赤身75%」B.「脂質25%」と表示された場合、Aの方が高評価でした。

『おとり効果』:
「誰も選ばないような選択肢(おとり)」をあえて追加することで、「もともとあったもの」を選ばせるという理論。

例)275ドルのホームベーカリーの売れ行きが良くなかったことから、415ドルの新しいホームベーカリーを並列して販売したところ、もともとあった275ドルのホームベーカリーがバカ売れするようになった。

それはナッジとなる「比較対象」ができたため。

人は変更することを面倒に思う生き物であるため、その性質を意識することで、消費者側はデフォルトに注意を払うべきですし、ビジネス側は「売りたいものはデフォルトしておく」という戦略が立ちます。

『アンカリング効果』:
最初に提示された数値などが基準となり、その後に続くものに対する判断が非合理的に歪んでいくという理論。

例)自分の社会保障番号の下二桁の数字を基準に「このワインを〇〇ドルで買いますか?」との質問を複数の人にすると、下二桁の数字が大きい人ほど、最終的に「〇〇ドルなら買ってもいい」という価格も高額になることが判明。

『パワー・オブ・ビコーズ』:
何か人にお願いするとき、「理由」を添えるだけで、受け入れてもらえる可能性がぐんと上がるという理論。

理由の内容はテキトーでいい。普段の意思決定のほとんどは”直感”を使っているので、理由があるとお願いを受け入れてもいいという気分になる。

『自律性バイアス』:
依頼する側は「やってもらうことが前提」で、依頼された側は「命令されたんじゃない、自分の意志で選んだのだ」と思わせるような内容の依頼の仕方をすると受け入れてもらえる確率が上がる理論。

例)生命保険の営業マンが顧客へのテストクロージング一つの手法として、まだ申し込むことを決めていないのに「死亡保険金のお受取人は奥さまでよろしいですか?」と聞く。

『脳の意思決定は時間帯で変化する』:
人は日中の無数の意思決定によって、夜は「決定疲れ」となり最適な判断ができません。

重要な意思決定をする場合、相手に意思決定を促す場合には朝がオススメ

その時の「感情」が人の意思決定に影響する

感情には、喜怒哀楽のようなハッキリとした感情だけでなく、好きな食べ物を目にしたときの高揚感のような「淡い感情」(アフェクト)も持ち合わせています。

この淡い感情は、喜怒哀楽よりも人の判断に影響を及ぼします。

ポジティブな感情

ポジティブな感情は仕事の効率も質も上げ、心身のストレスを軽減させることができる。

すぐにできるポジティブ・アフェクトの活用法:

・楽しかった家族旅行の写真を仕事場のデスクに飾る。
・使いやすい上質なペンで契約書にサインする。
・いいイメージを思い浮かべるなどしていい気分になり、クリエイティビティを上げる。
・ストレスの多い会議の後、温かい飲み物を飲んでホッとする。

ネガティブな感情

昔むかし、茂みの中にクマがいると察したときの恐怖や不安のネガティブな感情は、生命を維持するためにはとても有用なものでしたが、現代においては無用の長物です。

脳は一つの情報を単独で理解するのではなく、周りにある情報と比べながら認知しているため「比べてしまうのが人間のデフォルト」と言えます。

人と比べるのは良くないと分かっていながら、ついしてしまうのはそのせい。

感情が「お金の使い方」にも影響を与える

行動経済学においては、キャッシュレスの人のほうがお金を使いすぎてしまうことが分かっています。

キャッシュレスだと、お金の決済の際の「透明性が低い」ので「お金を使ってしまった」という心理的な痛みが感じにくい。

しかし、カードやアプリにも優れている面はあります。

例えば、あなたが「ここはお金をかけるべき」(健康、教育)と認識しているものに対してはあえてカードを使うというのも一つの考えです。

「コントロール感」も人の判断に影響を与える

「人は元来コントロールしたい生き物」です。

「心理的コントロール」を高めることは、仕事の満足度、幸福度を高める効果があり、「コントロール感」が少ないとネガティブな感情を生み出し、非合理な意思決定や行動の悪影響を与えていることが分かっています。

採血に関する実験:
採血は必要だと頭では分かっていても「痛かったらどうしよう」と思ったことはありませんか?

でも、採血の際に「どちらの腕にしますか?」と看護師に聞かれるだけで、ネガティブ・アフェクトが減少することが分かっています。

「不確実性」も人の判断に影響を与える

「不確実性」もネガティブな感情を生み出し、人間の非合理な意思決定に影響を与えています。

「がんの疑いがあります」と言われたときの例:

「がんの疑いがあります」と言われると皆一様にネガティブな感情が強くなります。

検査の結果、がんではなかった人は、「がんではありません」と告げられるとストレス値が急激に下がりましたが、問題は、実際にがんだった人です。

「やはりがんでした」と告げられると、そのときはストレス値は急上昇しますが、その後の治療などの対処法が分かることで、不確実性が下がり、ストレス値も下がったということです。

まとめ

「非合理な意思決定」を決める三つの要因として

認知のクセ(「直感」VS「論理」)
状況(周りの状況の影響を強く受ける)
感情

がある。

認知のクセ

・『メンタルカウンティング』
・『自制バイアス』
・『埋没コスト』
・『機会コスト』
・『ホットハンド効果』
・『フット・インザ・ドア』
・『確証バイアス』
・『双曲割引モデル』

状況

・『系列位置効果』:「初頭効果」と「新近効果」
・『単純存在効果』
・『過剰正当化効果』
・『情報オーバーロード』
・『選択アーキテクチャー』
・『ナッジ理論』
・『どうでもいいことはテキトーに決める』
・『プライミング効果』
・『フレーミング効果』
・『おとり効果』
・『アンカリング効果』
・『パワー・オブ・ビコーズ』
・『自律性バイアス』
・『脳の意思決定は時間帯で変化する』

感情:「淡い感情」(アフェクト)

・ポジティブな感情
・ネガティブな感情
・『お金の使い方』
・『コントロール感』
・『不確実性』

ふだん何気なくWeb広告などを見ているときに、今回の理論を当てはめてみる。

自分が実際に文章を書くときにちょっと織り交ぜてみる。

そうすることで、SNSでの「いいね」やPV数が増えたらやる気がでることが請け合いです。

セールスコピーを書くことを本業としたい私にとっては、何度も読み返したい内容でした。

行動経済学が最強の学問である 相良奈美香 SBCreative

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